月別アーカイブ: 2019年3月

子供の自己肯定感を育てる(その3)

2019年3月22日

こんにちは。郡山悠学舎の筧(かけひ)です。

学力がその子の持っている力いっぱいに発揮されるためには、なんと言っても、まず学習の習慣があることが大切です。
そして、そのベースに、自分を信頼できている感覚のあることが、とても大切だと思っています。
それが「自己肯定感」ですね。

自分の好奇心、興味や疑問から学習はスタートします。その自然な流れが受け入れられていること、それが大切なんです。
こんなごく当たり前で自然な事を強調して書かなくてはならないのは、子供たちの中で、とりわけ学習がそういう位置にないことが多いからです。

わかりやすく言えば、学習にアレルギーのある子が多い、ということです。
そのアレルギーを作ってしまった原因の大部分は、学校も含めて、まわりの大人たちの(社会の)関わり方にあるのではないでしょうか。

たとえば、我々大人自身が、毎日しんどさや不安、焦りなどを抱えて暮らしていると思うのですが、そういうものとどう向き合っているか、それを子供たちにどう伝えているか、伝えてしまっているか、そういう部分です。
不安や焦りから逃れるように、気晴らしの何かにはまり込んでいないか、憂さ晴らしのような時間が流れていないか。
子供たちはそういう大人の姿を肌で感じ、社会の雰囲気を身につけていきます。

中には、情けない姿をさらしている大人を反面教師として、自分の学びにしていく強い子もいるでしょう。
でも、できればまわりの大人自身が日々の生活の中で自分自身を肯定して生きていくモデルになりたいものですね。

つまり、子供の自己肯定感はまわりの大人がそれを持って日々生きているかを反映しているのです。

そもそも、私たち自身が、日々自分を認めながら暮らしているでしょうか。私たち大人が、学習アレルギーになってはいないでしょうか。

子供の自己肯定感を育てる(その2)

2019年3月14日

学びの原動力は、なりたいとあこがれる気持ちです。知りたいと願う心です。

人はいつも、できない、知らないところから出発するのです。

できないこと、知らないことをダメだと思ったり、恥ずかしいと感じていては、人はなかなか学ぶことができません。

学びを育てる、ということは、私たち大人が、それを実践することではないでしょうか。

なりたいとあこがれ、知りたいと願う、それを原動力にして行動する大人が、子供のまわりにいればいい。

共に学ぶ人として、できるようになること、わかるようになることを喜ぶ、楽しむ、そんな気持ちがあればいい。

できない自分、知らない自分を出発点にして、動き始めること。それが自己肯定感だと思います。

子供の自己肯定感を育てる(その1)

2019年3月7日

おはようございます。郡山悠学舎の筧(かけひ)です。

その子が持っている能力一杯に、学力を高めていくために「学習を習慣にする」ことがとても大切です。

一昨日のブログで、中3の2学期から、毎日教室に来て学習することを提案する、と書きました。(毎日の学習を習慣にして、分厚い基礎学力を身につけよう。

対象は「家で毎日学習する習慣が確立できていない生徒」です。そんな生徒には、不本意ながら、意識的で作業学習の意味合いの強い学習を、細かい指示の下、やってもらうことになります。

確かに効果はあって、いくら過去問をやっても点数にならない生徒も、たいていある程度の点数は取れるようになります。

けれども、こういう学習は、教える方も教わる方もとても疲れます。

私にはそうやって、体力に任せて、叱咤激励しながら深夜に及ぶまで生徒たちと受験に取り組んだ過去があります。

いい思い出と言えばいい思い出です。

結果を出すことが「学習塾の使命」ですから、そうやって生徒を「合格させた自負」のようなものもあったと思います。

でも最近は、そういう意識的で克己(自分に勝つという態度)的な学習は、結局「学習の習慣を確立すること」には結びつかない、と考えるようになりました。

学習は続けることが何よりも大切ですが、そのためには、それが半ば無意識的な動き=習慣になっている方がいいのです。歯磨きや洗顔を「エイや!」と気合いを入れてやる人はまずいないでしょう。学習をそれに近い無意識的な習慣にしてしまうこと、そのための仕掛けをうまく作ることに注目するようになってきたのです。

「毎日組」との学習は以前の意識的な学習に終始します。彼らのお尻を叩きます。(これは比喩ですが、、、)だから不本意ながら、なのです。

(次回に続く)

おはようございます。春期講習の要項が決まりました。

対象
新小学3年〜中学3年(今回、高校生は募集しません。在塾の高校生は個々面談の上、日程を決めます。)

費用
8千円(税別) 小学生は無料

日程
3月23日(土)〜4月6日(土)全15日

時間
午後7時〜9時半(小学生は午後5時〜6時半)

学習教科
数学・英語・漢字(小学生は算数・漢字・英語、その他)

詳細
在塾生は通常授業以外の曜日で最低7日、入塾希望者は全日程中最低
7日(小学生は5日。全時間学習できる日)をとってください。数学・英語は復習と先取り、漢字は基本漢字の学習です。
また、入塾希望者は当塾で自学自習を確立するために必須のインターネット教材「すらら」「クイズレット」の体験を含みます。2週間のすららのID(無料)を発行します。(ご家庭ですららを履修するためには動画が視聴できる程度のインターネット回線が必要です。)

なお、募集定員は決めませんが、小さな教室ですので、先着順でいっぱいになり次第、締め切ります。在塾生は申し込み用紙を配ります。入塾希望者は面談をお願いします。あらかじめ電話で面談日をご相談ください。

毎日の学習を習慣にして、分厚い基礎学力を身につけよう。

2019年3月3日
春期講習、新年度の塾生を募集します。(詳しい日程は明日以降のブログにあげます。また、お知らせから要項をお伝えします。)

2月3月の入試シーズンたけなわです。私学、公立特色選抜を終えて、目下のところ、塾生は全員、志望校に合格しています。残すは公立一般選抜のみです。
是非とも、コツコツと学習を続けた成果を発揮してほしいと願っています。

さて、不本意ながら(なぜ不本意なのかは、おいおい書いていきます。)今年度も例年と同じく、夏期講習後の懇談で、半数の受験生に「毎日教室に来て学習すること」を提案しました。
理由は家庭学習の習慣が確立できていないこと、自学自習できるだけの十分な「基礎」がないことです。
「基礎」という言葉には「基礎学力」という意味ともう1つ、今巷を賑わしている「非認知能力」という意味合いも込めています。
「非認知能力」は「点数として評価しにくい力」という意味で「非認知」と呼ばれるわけですが、それは集中する力、持続する力と言っていいでしょう。要するに数々の困難を排して粘る力です。興味や疑問を追求する力とも言えます。もっと言えば、自分を信じる力、人と協調する力、そういうものも含めての「人間力」ということになるでしょうか。
「毎日教室に来て学習すること」を提案した生徒たちには、個々の違いはあっても全般的にそれらの力が不足していました。
同時にほとんどの生徒は、いわゆる「国語力」=言葉を理解する力、言葉を使って表現する力も不足しています。全般的な語彙の不足が目立ちます。

ここ数年「毎日コツコツ丁寧に学習すること」を一番大切な目標に掲げて、自学自習のできる子を育てるために、様々な工夫を凝らして、いろんな提案をしてきましたが、敵はなかなか手ごわいのです。
毎日の学習習慣を含め、先に揚げた種々の力には共通するところがあって、それは全ての力が、短期間で身につけることのできないものだ、という点です。言い換えると、国語力も含めて、それらの力を養うには「いつでも学ぶ姿勢を持ち続けること」が是非とも必要なのです。
しかし、そういう態度は、それが意識的ではない日々の習慣になっていなくては、続かないのです。

ほとんどの生徒にとって、この「続けること=学習を習慣にすること」は難題です。一朝一夕には実現しません。
(ちょっと自分のこととして想像してみてください。どなたも何かをやろうとして「三日坊主」で終わってしまうことがほとんどではありませんか。)
特に、受験する学年近くになってから入塾してきた生徒たちの多くにとって、学習はあくまで「意識的にやるもの」なので、それはしんどいこと以外ではあり得ませんし、毎日、家で課題を進めることは、とても高いハードルなのです。
また、残念ながら中3の2学期から受験まではわずか数カ月です。懇談で、毎日教室に通うことを提案した生徒たちには、先ほど掲げた総合的な力を養っている時間はないのです。
彼らには徹底的に問題に慣れてもらう、そういうまさに「付け焼き刃的な学習」をしてもらうことになります。
言葉は悪いですが、それは「その場しのぎ」の受験テクニックです。

冒頭に「不本意ながら」と書いたのは、彼らに、決して無意味ではないにせよ、それが「しんどくて、その場しのぎ」でしかないテクニックを押し付けることになるところです。
「決して無意味ではない」と書いたのは、くりかえし、くりかえし毎日学習する、ということで「慣れを作る」という学習の基本を学ぶことができる点です。数学の基礎計算などは、2ヶ月もやれば、みんな「息をするように」解くようになります。
また、字をきれいに丁寧に書くことや、設問に正しく答えることなど、コミュニケーションのマナーを学ぶことができる点も大きいです。

けれども「その場しのぎ」であることに違いはありません。
どの教科もおよそパターン学習に終始するので、本質的なことは学習できません。
奈良県の英語の入試問題は優秀です。しっかりとした読み取りができなければ、ろくに答えることができない問題が並びます。逆にそういう基礎ができていれば、満点を取ることもできる良い問題です。(ここ3、4年のリスニング問題はネイティブの発音が棒読みでつまらなくなりましたが、昔のリスニングは聞いていて楽しいものでした。今年はどうでしょうか。)
ですので、英語はなかなか「その場しのぎ」の効かない入試科目になっています。1、2年の時から(少なくとも中2から)丁寧に学習を積み上げていく必要があります。
まさに日頃の学習がものを言う入試問題になっていて、私は好感を持っていますが、我が「毎日教室に来て学習すること」を提案した生徒たちには高いハードルとなります。
(それでも、そういう慣れを作らずに入試を迎える生徒たちとは、十分に違いを見せつけることができます。
そういうわけで全員志望校に合格しているわけです。)

次回に続きます。