自分のために学ぼう

前文科省事務次官の前川喜平さんがある女性からの質問に答えて、「教育の本当の目的」について以下のように話されています。(AERA dot.2019/05/16/11:30)

「教育の本当の目的は、自分自身を大切にし、自分で考えて行動できる自由な人間を育てることだと私は思います。」

私はこの前川さんのお考えに諸手を挙げて大賛成です。

私の塾では、もう随分と前から「学習を習慣にしよう」ということを提案してきています。

コツコツと毎日続けて積み上げたものだけが、本当に身についた力となるからです。

ただし、これにはとても大切な前提条件があると、私は考えています。

それは、学習が「自分のため」のものであることです。

ところが現実には、学習の目的が親の希望であったり、世間の要請であったり、つまりは自分以外の誰かのため、何かのための学習になっていないでしょうか。

前川さんは教育は「学習権」を基軸にして考えて行くべきだ、とおっしゃっています。私も親として、社会人として、子供達の平等な学習する権利を守ってあげなくてはいけないと考えています。

それと同時に、人は自分の好奇心や意欲を一番に尊重して、「自分のために」学ぶべきだ、学んでいいのだ、と子供たちに伝えたいと思っています。

好奇心は羅針盤、やりたい気持ちがエンジンです。

教室で指導を続けていて、いつも残念に思っていることがあります。それは自分から積極的に学ぼうとする子供が少ないことです。

多くの子供が、まるでエンジンの載っていない車のようです。後ろから押したり、引っ張ったりしないと動かない。そういう働きかけをやめると、また動かなくなってしまう。そんな子供が多いのです。

きっとみんな、自分がやりたいと思うことはやってはいけない、と感じているんだな、と思います。

みんな自分の中にある「羅針盤とエンジン」を忘れているんだと思うのです。

内側から自然と湧いてくる意欲を基にして、自分で学ぶ人になってほしい。

そういう自前のエンジンを携えた人が、学習を習慣にして学び続ける、これほど強力で効果的なことはありません。

そんな子供達で賑わう、そういう教室でありたいと考えています。

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