2019年7月8日
安冨歩さんという、私が大変尊敬する方がいらっしゃいます。
経済学者としてだけでなく、理系文系などという専門重視のアカデミズムに囚われず、幅広い分野で興味深い研究を続けておられます。
けれども世間には、そういう学究としての業績よりも、女性装の東大教授としての方が有名でしょう。
最近では今回の参議院選挙に山本太郎率いる「れいわ新選組」から立候補して、馬に乗って選挙をするというちょっと常人には発想することさえできない、奇抜な選挙戦を展開しておられます。(まだ今回は馬に乗った姿を拝見していません。楽しみ!)
はじめ私が彼のことを知ったのは、彼が女性装の人であることとは関係がありませんでした。
誰もがぜひ読むべき本として、私が大切にしているいくつかの本の中に、アリス・ミラーというドイツの精神分析家の書いた「魂の殺人」という本があります。
教育という名のもとに、親や教育者が子供の瑞々しい感性を奪い、魂を枯渇させることを告発したすばらしい作品です。
その教育は、ヒトラーのドイツを作り上げる心理的な下地を作ったようですが、本当に恐ろしいのは、親や教育者には、自分が子供たちにしていることの罪深さに対する自覚がなかった、ということです。
むしろ、それは善意と愛情によって為されたのです。
そして、恐ろしいことに、今もそれは現在進行形で続いています。
そういう教育、しつけが、親や教育者の善意や信念によって子供たちに与えられ続けている、というわけです。
ミラーは確かその本の増補版の序文にとても大切なことを綴っています。
それは子供達の両親に対して、決して罪悪感で自分を責めないでほしい、ということです。
親自身もそういった教育、しつけの被害者であり、大切なのは、気づきによって、この親から子、一つの世代から次の世代へと受け継がれていく、悲劇の連鎖を断ち切ることだ、と。
安冨さんは、その「魂の殺人」のアマゾンのカスタマーレビューに「全人類、必読!」というレビューを寄せておられました。
そこで私は安冨さん個人に興味を持ち、インターネットなどで調べるうちに、彼が女性装の東大教授で、様々な分野で積極的に発言しておられることを知ったのです。
その勇気を持って、人々を自由に生きる方向へ誘おうとしておられる姿にとても感動しました。
いつもリラックスした話ぶりは、とてもわかりやすく明快で気持ちがいいです。(ユーチューブで検索すれば、すぐにでてきます。)
安冨さんの書かれた本には、専門の経済をテーマとしたものの他に、
『誰が星の王子さまを殺したのか―モラル・ハラスメントの罠』
『マイケル・ジャクソンの思想』
『あなたが生きづらいのは「自己嫌悪」のせいである。』などなど、ミラーの「魂の殺人」に共通する、人の心を壊してしまう子供達、そして大人たちへの働きかけのカラクリ、悲劇を解き明かすものもあります。
今回の選挙では「子供を守る社会を作ろう」と、馬に乗って演説行脚をなさるようです。
私も、今一番大切なことは「子供を守る」ことだと思います。
子供を守ることを出発点にして考えれば、この世の中の様々な問題を解決する糸口が見えてくると思っています。
さっそく教室で「好きなこと、やりたいことアンケート」というアンケートをとりました。
子供たちに、今夢中になっていること、なりたいな、と思っている人(仕事)、教室でやっていることで気に入っていること、他にやりたいこと、なんかをアンケート取ってみました。
まだ、整理はできていませんが、子供たちの意見を取り入れて、楽しくやっていきたいと思っています。